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奇跡体験 »

アドリブ力

想定していない事態での『とっさのひとこと』には、その人のセンスが出ると思う。

今日の昼休み、携帯に見知らぬ番号から電話がかかってきた。
誰だかわからんが、とりあえず出てみる。

僕「もしもし」
?「・・・あ、かかったよ」

女性の声だ。
受話器の向こうで誰かと話しているらしい。

誰だろう。
音信不通の友人が久しぶりにかけてきたのか?
それとも、何か怪しい勧誘やイタズラだろうか。

僕「もしもーし」
女「これが私の番号だから」
僕「・・・?」

いやいや、知らんがな。
あんた誰やねん。

女「今でてる番号が私のだよ」
僕「も、もしもし・・・?」

女「え、かけてるって」
僕「・・・!?」

ははぁ~ん、なるほどね・・・。
ここにきてようやく事態が飲み込めた僕。
謎は解けたよワトソン君。

 

名探偵の推理によると、つまりこういうことだ。

いま僕に電話をかけている女性を仮にA子とする。
A子は目の前にいるB(性別不明)にA子の携帯番号を教えようとしている。
そこでA子は、まずBの番号を聞き、Bの番号に電話をかけたわけだ。
そうすればBの携帯にはA子の番号が通知され、めでたく番号交換の完了と相成るわけである。

ところが、何かの手違いでBの番号ではなく僕の番号に電話をかけてしまった。
すなわちこれ間違い電話である。

さらに、最初の「あ、かかったよ」というセリフから推測すると、おそらく間違えたのは2回目以降である可能性が高い。
なぜなら、A子がかけている番号は、目の前のBから直接聞いた番号なのである。
つまり、本来は繋がって当然なのだから、「(電話を)かけたよ」という意志動詞が正しい表現であり、「(電話が)かかったよ」という無意志動詞の発言はおかしいのだ。
そのセリフは、僕にかける前にも失敗していた可能性を示している。

そして、すぐに間違い電話だと疑わない様子を見ると、以前の間違いは発信すら出来ないミスだったか、もしくは「現在使われていない番号」だったのではないだろうか。

  

僕の推理で得たこれらの手掛かりから、以下のことが考えられる。

1.A子は相当なドジっ子である。
2.A子は携帯電話のボタンを正しく押せないほど不器用である。
3.BがA子に間違った番号を教えている。

いずれにせよ、番号をしっかり確認しないA子はそそっかしい性格のようだ。

  

まあ、長くなりましたが、そんな話はどうでもよくて・・・。

結局、そそっかしいA子もさすがに違和感を感じたらしい。
短い沈黙の後、受話器から聞こえる声が近くなる。

A子「あ、間違えました・・・」

先ほどとは打って変わって、申し訳なさそうな、どこか寂しそうな声のA子である。

  

こんなとき、とっさに気の利いた返しが出来る人に私はなりたい。
大丈夫ですよと、僕は気にしていないですよと、気を落とさないでくださいと、そんなメッセージ性のあるさりげないセリフ、キラリとセンスを感じるセリフを吐きたい。
そういう人に私はなりたいと常々思っている次第です。

  

なにか、なにか上手い返しを・・・。

  

僕「はい・・・」

・・・プチッ

・・・

 

「はい」ってなんだよ!
気の利いたセリフどころか、普通に返事するのがやっとじゃねえか!
思いつかないなりに、もうちょっと何かあるだろ!
無愛想か!
俺は無愛想か!

電話を切った後、自分のアドリブ力の無さに絶望しましたよ。
僕には内P好きを自称する資格なんてないのだと。

あぁ、何て返せば正解だったのだろうか。
1日中そんなことを考えて過ごした1日でした。

  

ちなみに、1日考えて出した答え。

「ハハッ!ミッキーだよ!次は間違えないようにねっ!」

あ、俺、アドリブ以前に根本的なセンスがないわ・・・。

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